2020年05月09日
ステイホームで「西国巡礼」⑦―如意輪観音

「如意輪」とは「意の如く福徳を得られる珠と法輪」の意味。下ろされた左手に「如意輪」を持っているように見えます。「春眠暁を覚えず」。目は半眼に閉じられていますので、春の暖かな陽射しに照らされて、居眠りをしているみたい。
江戸時代になると民間に「月待ち」という宗教行事が流行しました。「お月見」とは別に「十五夜」を過ぎて徐々に欠けていく月が出るのを待つ「講」ができ、無病息災を祈る「二十二夜」の「月待ち」の主尊とされたのが「如意輪観音」です。
写真の「如意輪観音」は、浜松市天竜区春野町堀之内の瑞雲院の山門脇に並ぶ「西国三十三所巡礼」供養塔として居並ぶ観世音菩薩のうちの1体ですので、この石仏が「月待ち」と関係があったとは言い切れませんが、夜空がきれいな春野なら、考えられないこともありません。ちなみに、今日3月19日の月齢は22日。「二十二夜」の月の出は、深夜1時過ぎになります。なるほど、居眠りポーズの理由が分かりました!
*記事は「出かけよう!北遠へ ふるさと散歩道」に掲載したもの。ステイホームのため、過去記事を再掲載させていただきました。