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2019年12月30日

隠された歴史②―消された「露」の字

見付天神の「願かけ牛」 磐田市の見付天神の拝殿前には、雄雌1対の「願かけ牛」が狛犬のように置かれ、向かって右側の雄牛の台座には「念紀○征」の文字が浮き彫りにされています。さて、この「念紀○征」の文字の意味は?

 もちろん、文字は右から左へと読みましたから「征○紀念」。そして、1文字欠けたその「○」の中に入るはずの文字は「露」。つまり、「征露紀念」と刻まれていたはずです。

 この「願かけ牛」が奉納されたのは「明治丗八年」。前年、明治37年(1904)2月には日露戦争が始まりました。そして、対露戦勝を願い、「明治」の他に「征露」の年号が使用されたのが、明治37年と38年の両年。この牛は「明治丗八年=征露二年」に奉納されたようです。

「念紀○征」の文字 「ロシア」を意味する「露」の文字が削り落とされたのは、いつのことだったのでしょう?軍の装備品だった「征露丸」が「正露丸」に改められたのと同じ指導が、ここでも行われたのでしょうか?

 なお、この文字は「正三位男爵 赤松則良書」。明治26年(1893)からは、見付に住んでいました。



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Posted by AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん at 05:41│Comments(0)歴史・産業遺産・寺社・文化財
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