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2019年12月29日

隠された歴史①―消された「征」の字

十二所神社の鳥居 阿多古川沿い、浜松市天竜区西藤平(にしふじだいら)落合の十二所神社が鎮座するのは、90数段の石段を登った上。石段の途中には、「明治三十七年四月」に建てられた石鳥居があります。鳥居の柱には、右に「征露」、左に「紀念」の文字が刻まれていたのですが、「征」の字がセメントで埋められています。

 歴史を振り返ってみると、日露戦争が始まったのは、明治37年(1904)2月8日、終戦は翌38年(1905)9月5日。鳥居が建てられた明治37年(1904)4月は、第二次旅順口閉塞作戦に失敗し、遼東半島への上陸を開始する間です。

消された「征」の字 当時の状況からすれば、「征露紀念」ではなく「征露祈念」の時期。この文字が刻まれたのは、日露戦争終結後であった可能性が見えて来ます。

 さらに、「征露」の「征」の字が消されたのは、おそらく、胃腸薬「征露丸」の表示が「正露丸」へと変更されたのと同じ理由。戦後のロシアへの配慮からではないでしょうか?



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Posted by AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん at 06:11│Comments(0)歴史・産業遺産・寺社・文化財
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