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2019年01月30日

「瀬尻御料林間伐木運材」の絵葉書④―瀬尻御料林間伐木造材集材

瀬尻御料林間伐木造材集材 最後に紹介する1枚「瀬尻御料林間伐木造材集材」は「運材」ではなく、「造材」「集材」の様子を写したもの。「造材」とは、伐倒した木の枝を切り落とす「枝払い」と、決められた長さに「玉切り」する作業。「集材」とは、伐採した木材を土場まで運び出す作業です。

 写真の山は、かなり混み合っているのが分かります。間伐するくらいなら、最初から適正な間隔を空けて植林すれば良いのではないか、と疑問に思いませんか?

 一本杉などの樹形を想像し、写真の混み合った人工林の杉と比較してみてください。一本杉の枝は下の方から紡錘状に茂りますが、木々が混み合う人工林では枝と枝とが触れ合い、光が届かない下にある枝が枯れ、上の方だけに枝が残る樹形になります。

 植物としては理想的に見えない杉ですが、角材として利用する時には、枝が落ち、根元から梢までの太さが一定の杉が良材とされます。そのため、植林の時には、間隔を密に植え、生長に合わせて一次、二次と間伐を繰り返す森林管理が必要。

 この細い間伐木も、足場や杭などに利用されたため、無駄なく「造材」し「集材」し「運材」して市場へと運び出しました。



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