冬の八丁坂を登る⑩―貴船神社
明光寺峠の少し手前にあるのが貴船神社。祭神は掛塚の「高龗神(たかおかみのかみ)」と違い「水波能売命(みずはのめのみこと)」ですが、どちらも水神であるのは同じです。
湊の鎮守として祀られている掛塚の貴船神社と同様に、川港として舟や筏に関わる舟人たちの守護のために勧進されたとは思いますが、ミズハノメノミコトの誕生に関して、『古事記』には、カグツチを生んで陰部を火傷し苦しんでいたイザナミがした尿から生まれたとされ、どことなく焼き石で退治された山姥(やまんば)とも共通する焼き畑農業や鉱山ゆかりの匂いも感じます。
鳥居には茅の輪が設けられ、参拝者の「疫病終息祈願」を慮った気持ちが伝わって来ました。
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