2023年02月27日
引佐町渋川から県境を越えて㉒―中央構造線
この露頭(岩石が露出している場所)は、下部の黒く見える岩石(三波川帯の結晶片岩)の上に、白く見える岩石(領家帯の花崗岩)が乗り上げたようになっています。結晶片岩は地下深くで低温高圧の変成を受けた岩石で、中央構造線の南側(外帯)に分布しています。花崗岩は地下のマグマが冷えてできた岩石で、中央構造線の北側(内帯)に分布しています。これら成因の異なる岩石が中央構造線を境にして接しています。
ここで見られる岩石はどちらも断層の活動で圧砕作用を受けて断層岩になっています。この下流にある「不っ田の七滝」は、花崗岩が断層運動によって変化したマイロナイト(圧砕岩)にかかる滝です。七段の滝は断層で弱くなったところが浸食されてできています。
中央構造線の断層
この細川断層は、中央構造線の断層にひとつで、巾約1mの断層粘土をはさんで右側が花崗岩源圧砕岩。左側が設楽第三紀層の砂岩です。
どちらも、東三河から北遠へと続く中央構造線上ならではの風景。まさにここは、巨大なプレートに移動によってできた日本列島の成り立ちを感じることができるビューポイントなのです。
以上で「引佐町渋川から県境を越えて」のレポートは終了。これからも、機会を見つけて、県境を越えて歩き回りたいと思っています。