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2018年02月03日

下阿多古・市場の秋葉山常夜燈④―斗栱

斗栱 下阿多古・市場の龍燈は、方形の斗(ます)と張り出す肘木(ひじき)を柱の上に組み、軒を支えています。これは、寺社建築の軒下に見られる特徴的な組物。斗と肘木の組み合わせを「斗栱(ときょう)」と呼び、釘は使っていません。斗と肘木をいくつも重ねていくことによって、軒を深くし、重厚感のある大きな屋根に仕上げることができます。

 「斗栱」の利点は、デザインの良さだけではありません。釘で固定していませんから、湿気の変化で木が膨らんだり縮んだりするのをうまく吸収し、建物が歪むのを防ぎます。さらに、地震や台風による多少の揺れなら、揺れを吸収してしまいます。

 「ガチガチに固定するから強くなるのではない。少し動く余地を残しておくから強くなる」―それが、斗と肘木の考え方です。

 何だか、龍燈の話ではなく、私たちの生き方のことを言われているみたい。寺社の建物ではただ見上げるしかありませんが、龍燈なら手の届く高さで確認することができます。この「斗栱」の考えを思い出しながら、北遠の路傍に立つ龍燈を眺めてみてください。きっと、何かを教えてくれるはずです。



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