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2018年06月20日

北遠にあった発電所⑦―自家発電機

自家発電機 ここまで紹介して来たのは事業としての小水力発電所でしたが、今回紹介するのは佐久間町羽ヶ庄にあった「自家発電機」です。

 出力200~300ワットくらい。裏山の水を集めてタンクに貯め、斜面を利用して土管で水を落としタービンを回していたとのこと。

 夕方になると子供でも手伝って、ハンドルを回して水を出すとモーターが回り始め、電気はボア~っと点いて一晩中ウィ~ンと鳴り続けていた。電球は60ワットが明るい方で各部屋に配線してあって、一つ点けたら一つ消すという感じ、電力が落ちて暗くなってしまうから。夜も点けっぱなしにして置かないとヒューズが飛んでしまうとか。

 古い発電機は、倉庫の中に納められていましたが、大正13年(1924)に直流で設置され、その後、交流に変更。かつては母屋の裏に造られた細い水路に備えられていたのだそうです。

 発電機がなかった多くの家庭では、清流・厚血川に共同発電機が備えられていたとのこと。発電機を動かすのは夜間だけ。決められた当番の家庭が集落のある山の暗くなりかけた斜面を歩いて下り、発電機を動かしたのだそうです。

 これが、昭和29年(1954)、中部電力による電力供給が始まるまで続いた山あいの電気事情でした。



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