アゲハチョウ科クロアゲハが、路上に舞い降りて吸水中です。
蝶は、私たちには美しく感じられるのですが、昔の人には不吉な生き物と考えられていたようです。あの『万葉集』に蝶を詠った歌は1首もなく、卵→幼虫→蛹→成虫へと姿を変えるということが、当時の人たちになんともいえぬ不気味さを感じさせたのではないか、と考えられています。フワフワと蝶の舞う様が、死者が乗り移ったように見えたとか、蝶が群れると戦争が始まると言われたことも。
だとすれば、黒装束のクロアゲハ(黒揚羽)は、最も嫌われた蝶だったのかも知れません。