2020年07月02日
北遠の六地蔵と六地蔵塔④―東藤平の六地蔵塔

道路脇の余地に車の停めて、少し低い境内に下りると、鳥居の横に苔むした石仏群が迎えてくれます。3体並んだ石仏は、向かって右から六地蔵塔、青面金剛童子、聖観世音菩薩。六地蔵塔は、1基の石碑の正面と左右の3面に2体ずつ計6体を浮き彫りにして六地蔵とした、阿多古川筋でよく見かけるものです。
青面金剛童子は、庚申(こうしん)信仰の本尊。弓矢や法輪を持った六臂の立ち姿の下には、「庚申(かのえさる)」の「申=猿」を意味する三猿が彫られ、足元には、「申」の夜の次の日の朝である「酉=鶏」を意味する鶏があしらわれています。
聖観世音菩薩には「西国三十三所巡礼」の文字が彫られている供養塔です。
これらの石像は、もちろん神社にはそぐわない仏(ほとけ)。だから、鳥居の中には入れません。かと言って、かつては神仏混淆が当たり前。微妙な場所に、石仏たちが並んでいましたが、別に居にくい様子でもありませんでした。