出かけよう!引佐町伊平㉕―御水神様
人の暮らしに欠かせないものはいくつかあるとは思いますが、水は絶対になくてはならないもの。そもそも、「伊平=井平」の地名について考えてみれば、おそらく水が湧く里の意味。井伊谷川へと流れ込む支流が数多くあるのは、近在の山地で水が湧いているからです。
伊平の人々が水を大切に使い、水への感謝を忘れない人々の気持ちが感じられるのが御水神様。井伊谷川の畔に小さな石祠が祀られていました。
井伊谷川の流路の脇には、コンクリート製の水路が造られ、川面よりも高い位置にある田んぼに水が供給されるようになっています。堰(せぎ)板を嵌める隙間も造られていますので、川の水を流すのではなく、山から流れ落ちる水を溜めて流すための水路。
飲料などの生活水だけではく、食糧を生産する農業にも水は絶対に必要。それを当たり前と思ってしまえば、自然環境はあっという間に損なわれてしまいます。自然との共生―それには、自然に対する感謝の気持ちを忘れないことが大切。
伊平の御水神様は、そんな気持ちを目に見える形で示したものと考えました。
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