漢方医・三輪家の薬箱④―「澤瀉」は水田雑草のオモダカ
「澤瀉=沢瀉」と書いて「オモダカ」と読みますが、生薬として利用されているのはサジオモダカの塊茎。写真のオモダカとは違い、葉が匙のように丸みを帯びた形です。
生薬名としては、音読みで「たくしゃ」。利尿・止渇・眩暈に効能があるそうです。塊茎の皮を剥いて干し、粉にして内服。
私たちには水田雑草にしか見えないのですが、昔の人には薬草に見えていたのでしょう。見て楽しみ、絵に描き、言葉で愛で、香りや味を楽しんで来た野草文化は、日本文化の底流。
「生薬」とは「天然由来の薬」の意味。「草木によって体調が楽になる」から「艹+楽=薬」になったという説もあります。
*コロナ自粛の昨今、ブログ記事の取材もままならない日々が続いています。記事は、私が書いていたNPO「天竜川・杣人の会」のブログ「出かけよう!北遠へ ふるさと散歩道」に掲載したもの。同ブログは終了しましたが、過去記事を再掲載させていただきました。
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