台風被災の秋葉山に登る⑨―洗われて現れた岩
秋葉山の山頂に近づくと、表参道は岩盤が露出した箇所を通ります。台風15号の豪雨により表れた堆積岩は、何層にも剥離した面を横側から見せ、秋葉山が斜めに隆起して出来上がった山であることを分かりやすく知ることができます。
しかし、そんな岩の山に育つ巨大な秋葉杉は、真っ直ぐ下に根を伸ばすことはできず、岩を抱えるように地表近くに伸びた根は、歩く者にとってはかなり厄介。
さらに言うならば、表土や岩盤の表面は風化して削られても、広がるように伸びた根はそのまま。つまり、木の根が浮き上がった「木の根道」となっているのです。
そんな山の成り立ちに興味がある人は、豪雨によって洗われて現れた岩が見られるこの時期に秋葉山に登ることをお勧めします。古くから杉やヒノキの植林も行われた秋葉山は、人々によって拓かれた信仰の山。
数多くあった山道のうち、現在、私たちが登っている表参道が一番安全な道として整備され、今もなお多くのハイカーたちで賑わっているのです。
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