奥山方広寺で干支「辰」探し⑥―半僧坊真殿の「龍」
この日(12月25日)、半僧坊真殿の前には門松が立てられ、正月を迎える準備が整っていました。真殿の「龍」については、以前「
奥山方広寺を訪ねる⑪」で紹介した通りですが、今回の「奥山方広寺で干支『辰』探し」の最大の目的は、やはり、この「龍」をもう一度確見たい気持ちが強かったのです。
「龍」の彫刻が施されているのは、真殿正面の海老虹梁。激しく体をくねらせ、細部まで立体的に彫られています。一体、真っ直ぐな木を使ったのか?それとも、曲がりくねった木を使ったのか?
この「龍」を彫ったのは、後藤岩五郎。ある程度の腕がある彫刻師であれば、「龍」を彫ってみたくなるのは当然。半僧坊真殿の「龍」を見上げれば、後藤岩五郎が彫刻師としての力のすべてを注ぎ込み、傑作とされる作品を後世まで残そうとした強い気持ちが表れているような気がしました。
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