浜北の旧街道を歩く②―貴布祢の道標
真っ先に訪れてみたかったのは、浜松市指定有形民俗文化財でもある「秋葉街道貴布祢の道標」。道が2方に分岐する三叉路の真ん中に建てられ、背も高く、見落とすことなどあり得ない文字通りの道標(みちしるべ)です。
刻まれている文字は・・・
す 左 是秋 左右
ぐ み よ葉 可者
秋 や 里山 さま
葉 口 七道 井松
山 大 里 池
道 平 田
道 道
「者ま松」は「はままつ(浜松)」、「可さ井」は「かさい(笠井)」。ここが、浜松から笠井街道を歩き、秋葉山へと向かう道の要所ですから、道に迷わぬうよう、見落とすことがないよう、道の真ん中に建てられた石柱道標は、おそらく建立当時から移設されていない珍しい歴史遺産です。
浜北を歩いて感じたことは、建物は新しいのですが、道が曲がりくねっていること。交差点も直角ではない箇所が多く、古い時代の道がほぼそのままに残されていると思われます。もしも道の分岐点に道標がなかったら、初めて歩く人にとってはどちらに向かうべきか決断が出来ず、迷子になってしまう可能性すらあったでしょう。
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