2019年、正月の久能山東照宮⑩―家康公お手植えのみかんと大蘇鉄
久能山東照宮社殿脇に「家康公お手植えのみかんの木」が黄色い実をつけていました。「家康公お手植えのみかんの木」と言えば、駿府城公園、二俣の清瀧寺や磐田の三ヶ野山などでも見ています。
清瀧寺や三ヶ野山のミカンは「分木」とされていたと思いましたが、元々は、家康が将軍職を退いて駿府城に隠居していた時、紀州より献上された鉢植えのミカンを天守閣下の本丸に移植したものとのことですから、駿河城公園のミカンは文字通り「お手植え」。久能山のミカンは、どうでしょうか?
いずれにしても、これらのミカンは、静岡地方のミカンの原種に近いものと考えられています。
もう1つ紹介したいのは、社殿前にある大蘇鉄。「樹齢六百五十年」と表示されていましたので、その通りだとすれば西暦1370年頃に植えられたものとなり、日本では南北朝時代に当たります。
しかし、インドやフィリピン原産の蘇鉄は、キリスト教伝来とともに日本に渡来したとされています。だとすれば、久能山東照宮が建てられた時代には、まだ渡来していないことになり、若干の疑問が残りますが、ちょっと見られないような大きさであるのは間違いありません。
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