難攻不落の高天神城跡を歩く⑭―記念碑と慰霊碑
高天神城跡には、何基もの記念碑と慰霊碑が建てられていました。
刻まれた文字を読んでみると、「西南之役樹勲紀念」「征清軍凱旋記念碑」「日露戦役紀念」「髙天神城合戦将士英魂之碑」など。「西南之役」は、明治10年(1877)に西郷隆盛を中心とした鹿児島士族の反乱による内戦でした。
「征清」とは、明治27年(1894)~28年(1895)に起きた日清戦争。「日露戦役」とは、もちろん、明治24年(1891)~25年(1892)に起きた日露戦争のこと。どちらも、朝鮮半島の利権を争う戦争でした。
「髙天神城合戦将士英魂之碑」は、武田信玄と徳川家康と間で、長期にわたって戦われた合戦で命を落とした将兵たちの慰霊碑。「西南之役樹勲紀念」「征清軍凱旋記念碑」「日露戦役紀念」は戦争に勝ったことを誇るために建てられたものでしたが、「髙天神城合戦将士英魂之碑」は戦いに散った命を弔うために建てられた碑でした。
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