焼津・花沢の里を歩く⑤―「花沢」とは?
「焼津」の地名が、日本武尊による東征の折の「やきつべ」の逸話に由来するとは分かりましたが、「花沢」とはどんな意味だったのでしょう?
「角川日本地名大辞典22静岡県」によれば、「鼻沢、沢の流れる初めの所の意」とされ、万葉の古道「やきつべの小径」は曲がりくねった花沢川の流れに沿い、集落も狭い段丘に造られています。そして、花沢川には両側の山地から水が流れ込み、まさに「沢の流れる初めの所」。分かりやすい地名です。
そして、花沢で今一番目立っていた「花」は秋明菊(シュウメイギク)。名前に「菊」と付けられてはいますが、実はキク科ではなくキンポウゲ科。赤紫色の花弁のように見えるのは萼片。あちらこちらで見られるシュウメイギクが、鄙びた花沢の里に華やかさを添えていました。
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