真徳山天林寺を訪ねる②―平野孝と浦部一郎
巨大な楼門が建てられたのは昭和38年(1963)。そして、この門を建てたのは平野孝とされ、東海地方の各地で曳き回されている祭り屋台を造ったことでも知られている掛塚横町の宮大工。見上げれば、幾重にも組み上げられた斗栱の美しさが秀逸です。
以前、平野家に保存されていた天林寺楼門の青焼き設計図を見せていただいたことがあります。まさに、これがあの設計図に基づいて建てられた成果物。
そして、蟇股を飾る彫刻は浦部一郎作。これも、青焼き設計図に残されていた事実。以前、曾布川藤次郎のご子孫宅で見せていただいた恵比寿大黒の彫刻の底に書かれていた「浦部清風」とは、浦部一郎の号。「昭和三十八年正月」は、まさに天林寺楼門落成の年に当たります。
同じ平野孝、浦部一郎のコンビで鐘楼も建てられたようです。
関連記事