天竜川の「豆こぼし」②―川は真っ直ぐには流れない
天竜川の起点は長野県の諏訪湖であり、流路延長213キロを流れ下り、太平洋へと注ぐ河口は、磐田市と浜松市とに挟まれた地点。その間、北から南へと向かいほぼ真っ直ぐに流れ下っていると勘違いしている方もいらっしゃるかも知れませんが、傾斜が比較的なだらかになる佐久間から下流の位置では、激しく蛇行して流れているのです。
二俣から下流の堤防道路を走る限り、ほぼ直線のように感じてしまいがちですが、秋葉山山頂から見下ろせば、天竜川は右へ左へと川原をのたくるように流れているのが分かります。
この要因となるのは、水が流れる時に発生する摩擦。前を流れる水の速度が摩擦によって遅くなると、後ろから流れて来た水の速度の方が速くなり、後ろから押される状態になり、この力が蛇行のもたらす要因になります。
また、川の流路を決めるのは、水の流れる力だけではなく、断層や褶曲による地層の変化にもよります。水の力だけが川の流れを決めているのではなく、地質構造によっても川の流れは変えられて来たのです。
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