2020年初夏、新宮池から春埜山へ⑫―福田講中奉納の金燈籠
今回、久しぶりに春埜山を訪れたいと思ったのは「2012年3月25日、粉雪舞う春埜山を歩く⑤」で紹介したように、春埜山大光寺は、江戸末期に海岸地域で蔓延したという「三日ころり (コレラ)」を鎮め、治癒する霊験があるとして信仰を集めたと伝えられ、狼型の狛犬は清水、青銅の燈篭は福田講中によって奉納された歴史があるため。
新型コロナウイルス感染症の拡大が懸念されている昨今、今一度、その青銅製の金燈籠を間近に見てみたいと思ったのです。
左右1対の金燈籠があるのは「御真殿」の1段下。金燈籠の竿部には「福田講中」の文字が浮き出ています。そして、「福田講中」の左右には春埜山の守護神である太白坊大権現の眷属である山犬が座り、上には右から左へ「遠州磐田郡」とも。間違いなく、現在の磐田市福田の信者たちによる奉納です。
福田を流れる太田川の源流は、まさに春埜山。裏側には「明治四十三年四月」の文字が刻まれていましたので、奉納されたのは1910年。国内でペストが大流行した年ですが、何か関係があるのでしょうか?
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