2019年、正月の久能山東照宮⑥―唐門と唐燈籠
久能山東照宮本殿前の門は「唐門」。屋根が「唐破風」造りになっているから「唐門」と呼ばれていますが、「唐」と付くため、つい中国風と思われがちですが、正真正銘の日本独自の建築様式なのです。
唐破風造りの建築は平安時代に見られるようになったとのことですが、盛んに造られるようになったのは、桃山時代から久能山東照宮が建てられた時期にかけて。建物の装飾性、華やかさが重んじられるようになったのは、日本人の美的感覚が豊かになった証拠と考えられます。
唐門下に建ち並ぶの燈籠は「唐燈籠」と呼ばれています。「唐燈籠」の「唐」は、「唐金」の「唐」。「唐金」は中国から伝えらえた青銅のことですから、この「唐」は「中国」の意味。
戦時供出を免れてここに立ち続けているのは、青銅製の燈籠の笠が徳川家の家紋「三つ葉葵」で飾られているからに違いありません。
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