磐田市社山に佇む六地蔵塔①―一石三面の六地蔵塔
磐田市社山(やしろやま)、県道61号浜北袋井線沿いに古い石造物があるのを見つけ、「何だろう?」との興味が湧き、立ち寄ってみました。石造物があるのは個人の家の敷地内。家の人に了解をいただき、じっくりと眺めたところ、1つの石柱竿部の3面に2体ずつの地蔵を刻んだ一石三面の六地蔵塔です。
そもそも、六地蔵とは、人間が死んだ後に旅立つ死後の世界へと導く仏。地獄、畜生、餓鬼、修羅、人、天の六道のそれぞれに出向き、私たちの苦しみを救う6体の地蔵菩薩です。
地蔵の上には「○○地蔵」と名前が刻まれているようです。正確であるかについては自信がありませんが、向かって右側から読んでみると、地持(じじ)地蔵、陀羅尼(だらに)地蔵、法性(ほうしょう)地蔵、雛兜(けいとう)地蔵、賢陵(けんりょう)地蔵、寶印(ほういん)地蔵のようです。
地蔵の姿はどれも同じではなく、合掌しているものもあれば、錫杖を持つものもあり、畜生道の寶印地蔵と思われるものは「幢幡(どうばん)」と呼ばれる旗竿のようなものを持っています。
六地蔵は宗派によって違いがあり、これらは真言宗ゆかりの地蔵尊と思われます。
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