天竜川の「豆こぼし」③―激流と緩流
「豆こぼし」に降りてみると、石や砂が堆積した川原が広がっているかと思えば、対岸は流れによって削られた岩が剥き出しになっています。
川が蛇行する所では、曲がりの内側に石や砂が堆積した川原が出来ます。内側に川原が出来るのは、曲がりの外側よりも内側の方が水の流れが遅いから。上流から運ばれて来た石や砂は、流れが遅いとそれより先に運ぶことができず、曲がりの内側に置き去りにされるためです。
まるで、天竜川下流のような「豆こぼし」の川原。「豆こぼし」の名の由来は、「舟で運んでいた豆がこぼれたから」とされていますが、大量の石が転がる川原を見れば、この石を豆に見立てた名と思えなくもありません。
関連記事