北遠の秘境・夏焼集落を訪ねる⑤―駅へ登る石階段
JR飯田線「大嵐駅」の近くには、路線付け替えをされる前の時代の遺構が残されているのを知りました。それは、佐久間湖湖面(天竜川水面)から駅へと登る石の階段。かつてのホーム脇から降りて行くと、水面の下にコンクリートの遺構も隠れていました。
おそらく、これは旧富山村側から天竜川を船で渡り、飯田線駅にアクセスするための船着き場の跡。現在の鷹巣(たかす)橋が完成したのは、昭和31年(1956)5月。佐久間ダム建設に伴い川の水位が上昇することによる生活不便を除くために架けられましたので、それ以前の富山村民の飯田線利用は、船に頼る以外に方法はありません。
今は使われることもない長くて急な石の階段は、富山村民が都市部と繋がるのに欠かせない道。階段に見える人影は、天竜区観光協会のPRビデオ撮影隊の人たちです。
ここからなら、上路式垂直在付ワーレントラス吊橋の鷹巣(たかす)橋を見上げることができます。
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