牧之原市・石雲院を訪ねる②―山門の彫刻
石雲院の山門を建てた大工が誰であったのかについて、残念ながら分かっていないようですが、施されている彫刻のち密さには驚かされました。
左右の繋虹梁に見られるのは板の面を削った彫刻ですが、正面の松は板面よりも浮き上がっています。この違いをどう表現したらいいのか分かりませんが、松の幹、枝、葉や根だけでなく、幹を這う蔦の葉、鶴と思われる鳥も板の面よりも前に彫られているのです。
門の中程に見られる虹梁には波が彫り込まれ、その上の欄間の両面から立体的に透かし彫りにされたのは如意宝珠を握った三爪の龍。龍は石雲院の山号「龍門山」に由来するものと思われますが、木造の寺を火災から守るため瑞獣でもあるのです。
一層の蟇股には瑞鳥が並び、二層の軒下には十二支が。来年の干支「丑」はこれ。年賀状に使うつもりなら、牧之原市の石雲院をお訪ねください!
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