漢方医・三輪家の薬箱⑰―「山萬由」はヤママユ「白姜蚕」はカイコガ
「山萬由」と書いて、さて、何と読むのでしょう?辞書にも載っていませんし、ネット検索をしても出て来ません。これを「ヤママユ」と読むのは強引でしょうか?
「ヤママユ」と読めば、野生の蚕蛾の1種。生薬として使われたかどうかを検索したら「喉が腫れて痛むには、ヤママユの黒焼きを絹に包み、それを口に含むと良い」と出ました。また、「サナギや繭の黒焼きを骨折した幹部に貼る」ともありましたので、あの大きな蛾は薬として利用されたようです。
三輪医家があったのは、養蚕が盛んだった佐久間町浦川の上市場。カイコガも生薬として利用されていた可能性もあります。
「白姜蚕( びゃくきょうさん)」は、カイコガの幼虫が白姜菌(ムスカルジン)に自然感染して死んだ乾燥虫体。鎮痙、鎮痛・小児痙攣・扁桃炎・頭痛・歯痛・・・。
内服するには、ちょっと抵抗がありますね。でも、食用にもされていたようですよ。
*コロナ自粛の昨今、ブログ記事の取材もままならない日々が続いています。記事は、私が書いていたNPO「天竜川・杣人の会」のブログ「出かけよう!北遠へ ふるさと散歩道」に掲載したもの。同ブログは終了しましたが、過去記事を再掲載させていただきました。
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