漢方医・三輪家の薬箱⑰―「山萬由」はヤママユ「白姜蚕」はカイコガ

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2021年08月17日 04:09

 「山萬由」と書いて、さて、何と読むのでしょう?辞書にも載っていませんし、ネット検索をしても出て来ません。これを「ヤママユ」と読むのは強引でしょうか?

 「ヤママユ」と読めば、野生の蚕蛾の1種。生薬として使われたかどうかを検索したら「喉が腫れて痛むには、ヤママユの黒焼きを絹に包み、それを口に含むと良い」と出ました。また、「サナギや繭の黒焼きを骨折した幹部に貼る」ともありましたので、あの大きな蛾は薬として利用されたようです。

 三輪医家があったのは、養蚕が盛んだった佐久間町浦川の上市場。カイコガも生薬として利用されていた可能性もあります。

 「白姜蚕( びゃくきょうさん)」は、カイコガの幼虫が白姜菌(ムスカルジン)に自然感染して死んだ乾燥虫体。鎮痙、鎮痛・小児痙攣・扁桃炎・頭痛・歯痛・・・。

 内服するには、ちょっと抵抗がありますね。でも、食用にもされていたようですよ。

 *コロナ自粛の昨今、ブログ記事の取材もままならない日々が続いています。記事は、私が書いていたNPO「天竜川・杣人の会」のブログ「出かけよう!北遠へ ふるさと散歩道」に掲載したもの。同ブログは終了しましたが、過去記事を再掲載させていただきました。

 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱①―140種の生薬
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱②―「鼠尾艸」はミソハギ
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱③―「蝉脱」はセミの抜け殻
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱④―「澤瀉」は水田雑草のオモダカ
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱⑤―「地骨」とはクコの根
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱⑥―「茵蔯」はカワラヨモギ
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱⑦―桔梗
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱⑧―「蘓葉」はシソの葉
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱⑨―「敗醤」はオミナエシ、オトコエシ
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱⑩―「於止支理」はオトギリソウ
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱⑪―「大棗」はナツメ
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱⑫―「牛膝」はヒナタイノコヅチ
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱⑬―「羗活」はシシウド
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱⑭―「薄荷」はミント
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱⑮―「芣苡」はオオバコ
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱⑯―「鬱金」はウコン
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱⑱―「梔子」はクチナシ
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱⑲―「木通艸」はアケビ
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱⑳―「冬瓜」はトウガン
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱㉑―「山査子」はサンザシ
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱㉒―「瞿麦」はカワラナデシコ
 【関連記事】漢方医・三輪家の薬箱㉓―「烏薬」はテンダイウヤクの根

 【関連記事】信州遠山郷を訪ねる⑩―ヤママユ
 【関連記事】山住峠の自然①―ヤママユ
 【関連記事】初秋の「あいづき昆虫館」①―ヤママユ
 【関連記事】早春の小國神社境内地の自然④―ヤママユの繭

関連記事