日本武尊ゆかりの草薙神社②―道標と日本武尊像

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2025年01月03日 04:50

 草薙神社鳥居の脇に古い道標が建てられていました。裏面に「元祿十二己卯十一月吉日」と刻まれていましたので、西暦1700年1月の建立。正面には「從是草薙大明神江有道」、右側には「此奥有草薙大明神」、左側には「是よ里(り)くさなぎ大明神道」とあり、もしかしたら、かつて旧東海道に建てられていたものだったのかも知れません。

 そして、鳥居をくぐるとすぐにあるのが「日本武尊像」の石像。草薙神社に日本武尊(やまとたけるのみこと)の像があるのは、もちろん、ここが『古事記』『日本書紀』に記されている「草薙剣(くさなぎのつるぎ)=天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」の神話に深くまつわる神社だから。

 そもそも、日本の神話においては、素戔嗚尊(すさのをのみこと)が八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した時、その尻尾から現れたのが草薙剣だとされ、それを天照大神(あまてらすおおみかみ)に献上し、その後、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に授けられ、代々天皇家に継承され、やがて伊勢神宮に祀られるようになりました。

 その後、日本武尊が東征する際に立ち寄った伊勢神宮でこの剣を授けられ、東に向かう途上、駿河の国の草むらで敵に囲まれて火を放たれてしまいます。その時に周囲の草を薙ぎ払った剣が天叢雲剣。薙ぎ払った草に火打ち石で向火を放って敵を追い払い、以来、天叢雲剣は草薙剣と呼ばれるようになったとのこと。

 そんな「三種の神器」にまつわる地に、日本武尊の父であり、第12代天皇でもある景行天皇が建てた社が草薙神社だと伝えられています。

 ちょっと長くなってしまいましたが、これが草薙神社に伝えられる創建の由来。真偽のほどは分かりませんが・・・

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