造船の町、伊勢市大湊へ⑩―宇治橋
内宮入口に架かる宇治橋は檜造りの大きな橋。ただ五十鈴川を渡るためだけに架けられている橋というだけではなく、五十鈴橋は俗界と聖界との掛け橋。この橋を渡るとそこからが神域です。
少し反った長さ101.8メートル、幅8.42メートルの宇治橋を渡る時に足元を見ると、踏板にはわずかな隙間も見られません。そこに生かされているのが「すりあわせ」と呼ばれる船大工の技術。合わせ目の両面に鋸でギザギザを着け、これを叩いて密着させれば、次第に膨張してピッタリとくっつき、雨水も通さないのだそうです。
そうです。伊勢の船大工と言えば大湊。大湊の船大工の造船技術が、宇治橋の架け替えを通して伝承されていたのです。
ちなみに、宇治橋は内宮参道ですから、右側通行です。
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