磐田市社山に佇む六地蔵塔④―盃状穴
そして、もう1つ気になったのは、台座石に開いた穴。その数は多く、雨水が溜まっています。享保2年(1717)に建立された六地蔵塔ですから、すでに300年以上が過ぎ、いつしか窪みに小石が入り、次第に深く掘れた穴なのかも知れませんが、それにしては数が多過ぎます。
もしかしたら、これは人の手によって開けられた「盃状穴」かも知れません。「盃状穴」は、安産や病気平癒などの祈りを込めて開けられた穴。「盃状穴」は世界中で見られ、日本では縄文時代に始まり、古墳の石棺にも見られるとのこと。
いつの時代に開けられたかは不明ですが、人々の深い願いを感じることができる窪みだと思われます。
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