浜北区上島・新田組の「龍燈」⑦―天女、天人と鬼瓦
「龍燈」の棟瓦にも男女2人の姿が見られます。果たして、これは誰なのか?
向かって左は女性。羽衣を纏い、手には蓮の花を持ち、空を飛んでいるようです。左は大黒様の頭巾ようなものをかぶり、両手で横笛を持っています。果たして、この2人は何者なのでしょうか?
調べてみると、仏典によれば、仏が説法する際に天から舞い降り、音楽を奏し、舞いながら蓮の花を撒き散らして仏を讃える飛天と呼ばれる天女、天人がいるのだそうです。
・・・だとすれば、この2人は仏教由来。火災から人々を護るのは秋葉神社の火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)。しかも、建立されたという明治28年(1895)には、寺から神社へと鞍替えしていたはず。
そして、屋根の端を飾る鬼瓦には、秋葉神社の「七葉もみじ」ではなく、秋葉寺の「剣花菱」。これも、神仏混淆の名残りと見るべきかも知れません。
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