諏訪原城跡を訪ねる⑤―武田式築城術

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2020年02月24日 05:28

 諏訪原城は戦国時代の城跡。そのため、城跡には石積みはなく、土塁・空堀・土橋が残るだけ。ただし、現在まで残る縄張―つまり、曲輪や空堀、門、虎口などの配置には武田式築城術が分かりやすく残されています。










 武田式築城術の特徴の1つは三日月堀と呼ばれる半円の堀。馬出曲輪の前に設けられた三日月形を描いた堀のことです。










 虎口の前面に馬出曲輪が設けられ、その外側を三日月堀が取り巻くことにより、攻撃する兵士は真っ直ぐには攻め込むことができません。同じような機能は枡形でも見られますが、石垣を築かなかった戦国時代の山城では、この馬出曲輪が攻守両面で有効な築城術とされ、諏訪原城跡には見学者に分かりやすい形で残っています。

 諏訪原城跡に残る大小様々な空堀の形とその配置。これぞ、武田式築城術の醍醐味です。

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