大井川川越遺跡を歩く④―軍艦の奉納額
八重枠稲荷神社の社殿の中を覗いてみたところ、軍艦らしい船を描いた奉納額があるのに気づきました。写真を撮って帰り、拡大してみると右から左へ「門長艦戰級努超」と書かれていました。
これを左から右へと書き直すと「超努級戰艦長門」。「努」は「ド」の当て字ですから、「超ド(弩)級戦艦長門」の意味。大正9年(1920)に完成した戦艦長門は、当時としては世界最大・最速の戦艦。戦後、アメリカ軍に接収され、核実験の標的艦としてビキニ環礁に沈没させられたのはよく知られた話です。
そもそも「ド級」とは、イギリス海軍の大型戦艦「ドレッドノート」から派生した言葉。「ドレッドノート」クラスの戦艦が「ド級」で、それを超える戦艦が「超ド級」。今でも「ものすごく大きい」意味で使われることもある「超ド級」とは、もともとは軍艦の規格を示す言葉だったのです。
そして、もう1枚の奉納額に描かれていたのは「軽巡洋艦大井」。こちらは大井川から名を付けられましたので納得できますが、長門の絵はどうしてここに奉納されていたのでしょう?堤防を守るお狐様と同じ意味で海上安全?航行安全でしょうか?
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