大久保家と淡海国玉神社④―カナリーヤシとアコウ
大久保家には、春野の義兄弟で淡海国玉神社の神官として家督を継いだ忠利の子、初太郎がいました。初太郎は植物学を学び、農学校校長を務めたほどでしたから、植物には一際高い関心があったようです。
そのため、大久保家の庭では、珍しい樹木をたくさん見ることができます。
裏庭に高く聳えている椰子は、アフリカ西海岸カナリア諸島原産のカナリーヤシ。シュロやリュウゼツランなども今では珍しくはありませんが、南方系の樹木がお気に入りだったようです。
珍しいのは、クワ科イチジク属のアコウ。鳥に運ばれた種が樹に運ばれ着生すると、気根を伸ばして親の樹にも絡みつき、枯らしてしまうこともあるとのこと。大久保家のアコウの木も、まさに「絞め殺しの木」の別名の通りです。
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