諏訪大社を訪ねて㉑―大隅流で建てられた春宮幣拝殿
諏訪郡下諏訪町下ノ原の諏訪大社下社春宮(はるみや)の幣拝殿は大隅流の伊藤長左衛門の作。立川和四郎初代冨棟が建てた秋宮(あきみや)片拝殿は安永10年(1781)の落成であったのに対し、春宮のそれはわずか1年前の同9年(1780)の完成。
諏訪郡下諏訪町武居の秋宮の片拝殿と春宮の幣拝殿とはほぼ同じ規模で、時の諏訪藩主は、当時全盛だった大隈流と諏訪に舞い戻ったばかりの立川流の両者を呼び、2人の腕を競わせることにしました。
その結果は立川流の評判が勝り、秋宮は立川和四郎冨棟の出世作となり、以後立川流は大隅流を圧倒し発展して行きました。
大隅流の伊藤長左衛門が造った春宮と立川和四郎冨棟の造った秋宮の両方が、現在もその当時の姿で下諏訪町に存在していることの幸運。
あなたなら、どちらの棟梁に軍配を挙げますか?
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