諏訪大社を訪ねて⑦―御柱祭の木落し
実は、諏訪郡下諏訪町下ノ原の下社春宮(はるみや)を訪れる時、道を間違えて辿り着いてしまったのが「木落し坂」。テレビ画面を通して視てはいましたが、まさかその地を自分の目で見ることが出来るなんて、思ってもいませんでした。
前回の御柱祭は平成22年(2010)。現在、諏訪大社二社四宮に立つ16本の御柱は、山で伐った樅(モミ)の巨木16本を、すべて人力によって引き出す「山出し」、丸太に人が乗り急な坂を滑らせて落とす「木落し」、川を渡す「川越し」、「里曳き」を経て、神社の四隅に立てられたもの。
すべては原始的とは言え、神に仕える民が自然を畏れ、神に感謝し、神のために執り行う祭事。御柱の片側には、「木落し」で擦られた痕が傷となって残っています。
諏訪市中洲宮山の上社本宮(ほんみや)の絵馬堂には、平成22年に使われた「メド梃子(てこ)」が展示されています。80度の角度で組まれた左右2本の丸太に7人ずつが乗り、バランスを取りながら「木落し坂」を滑り下る荒っぽい祭事は、みなさんもご存知の通り。
この時の祭り装束が、ドンブリと呼ばれる腹掛けに股引、地下足袋。この山仕事での作業着が「浜松まつり」の祭り衣装にもなっているのです。
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