旧田代家住宅の2階から下り、1階土間奥の東の隅に自然の曲がりを生かした梁が見られました。
自然に曲がった木材を梁に使うのは、古民家では時々見かけることがあります。アーチのように曲がった梁は、屋根の重さを支えるには、確かに力学的にも理に適った構造。曲がった梁を使うのは難しく、敢えて使うのは棟梁の腕の見せ所です。
山の斜面に育ち、斜面が動くことで徐々に上へ上へと向きを変えながら曲がって育った強い木。建築材としては好まれそうにない木材ですが、旧田代家住宅を支える軒下の力持ちの役割をしっかりと果たしていました。