鈴木家住宅を訪れたのは午前7時44分。茅葺き屋根からは真っ白な煙(?)が立ち上っていました。火事?
いえいえ、これは昼夜の寒暖差により茅の中に露として宿っていた水分が、気温の上昇により蒸発をしている風景。この立ち上る水蒸気の気化熱により、室温が低下。木と土と草で造ってきた伝統住宅では、この蒸発作用により日本の気候風土特有の湿気を調節して来たのです。
また、茅葺き屋根の住宅では、屋内の熱や煙も同様にして発散。暑い日にはエアコンの効いた室内に籠りがちな私たちが見習わなくてはいけないエコ住宅のお手本を、茅葺き屋根に見たような気がしました。
水蒸気が立ち上る屋根を見上げると、妻の部分の茅を切り取り「水」の字が。やはり、火事だけは気がかりだったようです。