磐田市中泉・府八幡宮に参拝⑥―八角形と懸魚の形
埋め木のデザインは、あくまでも傷や抜け節の形に倣ったもの。確かにそのはずなんですが、八角形の埋め木を見れば、「これはどうして、丸や四角ではないの?」と思ってしまいます。
実は、八角形は四角で表現される「陰」と円形で表現される「陽」の中間の形。あるいはその両方を合わせた形であると考えられ、「八」は「末広がり」ということもあり、八角形は縁起の好い形とされているのです。
そして、左の写真の埋め木はちょっと変わった形をしていますが、私が見る限り懸魚の形。懸魚は魚の形に倣ったとされ、火伏せのまじないとして破風の飾りに用いられています。つまり、懸魚の形を象ることにより、防火への思いを込めた埋め木。
平成28年(2016)に解体修理を終えた県指定文化財「府八幡宮楼門」に顔を近づけ、工事に携わった職人さんのセンスと思いを感じてみましょう!
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