菊川・黒田家代官屋敷を訪ねる⑤―三角石の布積み
黒田代官屋敷の水豪の石垣は、表側を四角に切り出した石を水平に積み上げた布積み。その積み方がよく分かる箇所がありました。
表側だけを見ていると、立方体や直方体の石を積み上げているように見えるのですが、上から見ると内側に長い三角石。この石を目土とを組み合わせ、ほんのわずかだけ内側に傾斜させて強度を保っているようです。
水豪には船を着けたいのですが、壁の傾斜を緩やかにすると岸から水面が遠くなってしまいます。そのため、石を楔形に加工し、石垣を垂直に近く立ち上げることができています。
これが、黒田家の石垣が昔のままの姿で保存されている秘密。古いものが残されているのには、それなりの工夫があるのです。
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