大井川川越遺跡を歩く⑤―島田大堤
八重枠稲荷神社の「八重枠」に残されているように、かつてあった大井川の堤防は数本設けられていたとのこと。「島田大堤」は、正保元年(1644)頃には完成していたと考えられているようです。
現在まで残っている「島田大堤」はごく一部だけですが、完成当時は高さ2間(約3.6メートル)、長さ3150間(5,733メートル)の規模。ただ、洪水を恐れて大井川の水から逃れただけではなく、同時に灌漑用水の整備も行い、島田宿の米の生産高はそれまでの20倍にも増えたとは、八重枠稲荷神社の御利益もあったのかも知れません。
防災工事と農漁業生産の維持を両立させるのは難しい選択かも知れませんが、昨今多発している災害からの復旧工事の際には、自然との共存も忘れてはいけないと私は思います。
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