暖冬の野に咲く春の花⑩―ノボロギクとノゲシ
ヨーロッパ原産のノボロギクについて調べてみると、花の時季は4月~12月となっていますので、今咲いていても不自然ではないのかも知れません。
同じくヨーロッパ原産のノゲシの花の時季は4月~7月ですから、これはちょっと時季外れ?
植物は何でも食用にした日本人ですが、まさか、これは食べないでしょう?と思ったら、戦中、戦後の食料事情が悪かった時には、このノゲシでさえ食用に。
『復刻昭和20年8月食生活指針―敗戦を生き抜いた知恵』(静岡県作成、今村純子他解題執筆)によれば・・・
荒地、路傍到る所に見られる越年生の野草で、一見あざみに似ているが棘なく軟らかで茎、葉ともに切ると白い汁が出る。夏になると茎の頂は分かれてたんぽぽの小型のような黄色の頭状花を開く。
「食用部」若苗、若葉、花。
「食用法」若苗、若葉、花等を油炒めするか、茹でて水晒しした物を和え物、汁の実、煮付けにしてよい。
「類似草」秋に多く見られるあきののげしも全く同様に調理してよい。
「備考」庭の片隅に移植して置いて随時利用することは便利である。
食糧難の時代には、まるで野菜のように、栽培を勧めた時代があったのですね。
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