木曽路・奈良井宿を歩く⑦―「廿三夜」塔
ズラリと並んだ「二百地蔵」の前に「廿三夜」と刻まれた石塔が2基。これは、かつて「月待(つきまち)」の信仰が盛んだった頃、その代表的な行事の一つ「二十三夜待」の講中が建てたと思われる石塔です。
柳田国男監修の『民俗学辞典』によれば、集落の中で「二十三夜講」を作り、石塔に「廿三夜」「三夜燈」などの文字を刻み、月の出を待って月を拝んだのだそうです。十五夜から8日過ぎた二十三夜の月は、真夜中頃に東の空から昇ってきます。真夜中まで一緒に行動を共にすることで、絆を確かめ合ったのは「庚申講」とよく似ています。
「二十三夜講」の本尊は勢至菩薩。「二百地蔵」の中にも、勢至菩薩が紛れているのかも知れません。
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