木曽路・奈良井宿を歩く③―ディーゼル機関車
道の駅「奈良井木曽の大橋」の端っこにあったのは、森林鉄道に使われていた機関車。すでに、かなり赤錆びていましたが、機関車のラジエーターの上舟には「SKW」の文字が見られ、「SKW」とは酒井製作所のロゴで、創業者の酒井金之助氏の名を取った「Sakai Kinnosuke Works」の頭文字。「酒井製作所」製造のディーゼル機関車であることが分かります。
そして、この機関車は長野県木曽谷の国有林で木材運搬のために運行していた木曽森林鉄道で利用されたもの。森林鉄道は全国各地で大正期から昭和の高度経済成長期の頃まで木材の運搬を担って来ましたが、道路網が次第に整備され、運搬の主役がトラックへと代わるにつれ、いつしかその役目を終えることになってしまいました。
作業員や地域住民を乗せたと思われる客車を曳く形で展示されているディーゼル機関車に浮かぶ赤い錆こそが、大正⇒昭和⇒平成⇒令和と流れた時代の経過を物語っているようでした。
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