中山道の妻籠&馬籠へドライブ⑨―杮葺きと檜皮葺き
妻籠の「桝形」にあり、上から見下ろすことができる古民家の屋根は瓦葺きではなくて杮(こけら)葺き。「杮(こけら)」は「柿(かき)」の字と似てはいますが、別字。厚さ3ミリほどの薄板に割った木を屋根に葺く工法で、決して柿の木だけを使うわけではありません。
重ねるようにして屋根に葺かれた杮板は板を抑える縦割りした木で止められ、杮板が風によって吹き飛ばされないための重石として川石が乗せてられています。
一方、馬籠の軒で見かけたのは、杮葺きではなく檜皮(ひわだ)葺き。ヒノキの産地として知られる木曽ですから、ヒノキの樹皮を剥いだ檜皮の入手は容易です。
杮葺きも檜皮葺きも日本独特な屋根葺技術ですが、近頃では寺社建築以外で目にする機会はまれになってしまいました。
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