修禅寺&三嶋大社へ日帰りドライブ⑪―大和堂医院の伊豆石
渡月橋を渡り、桂川を隔てた修禅寺の対岸の路地で見かけたなまこ壁の建物の玄関には、「大和堂医院」と書かれた木札がありました。
大和堂医院と言えば、胃潰瘍の療養のため修禅寺に逗留中、大吐血して昏睡状態に陥った夏目漱石が最初に診察を受けた診療所。漱石はかろうじて生死の縁から甦えりましたが、後日まで「修善寺の大患」として語り継がれることになった大事の舞台となった場所です。
玄関前の石畳には安山岩と思われる硬石系、石塀には橄欖岩と思われる軟石系の伊豆石が使われていたのが印象的。レトロな雰囲気が残る大和堂医院の伊豆石は、同じ伊豆石利用が見られる掛塚を思い起こさせる風景。船に積まれて運ばれた石材文化の原点は、間違いなくここ伊豆にあったのです。
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