明治維新後の磐田④―旧赤松家の図書蔵

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2020年01月03日 05:34

 磐田原の茶園開拓は、「遠州報国隊」に参加した大久保家と幕臣だった赤松家との尽力により、現在の茶業の基礎が築かれたとの紹介をしました。討幕軍と幕臣とに分かれて明治維新を迎えたにも関わらず、ともに男爵となり、それぞれ陸軍大将と海軍中将へと上り詰めたのも不思議な関係。

 さらに、磐田における近代教育史を顧みてみる時、旧見付学校の元となった大久保家の私設図書館磐田文庫と並び、赤松家の土蔵に設けられた図書蔵の果たした役割も忘れてはいけません。

 旧赤松家土蔵(図書蔵)は磐田市指定有形文化財。レンガ造りの門・塀の横には、漆喰で外装された図書蔵が残されています。

 旧赤松家の図書蔵は大正初期、則良の長男、範一(けんいち)によって建造され、江戸初期から明治・大正にかけての貴重な書籍や資料が3,000点以上が収められ、読書会の会場にもなっていました。












 図書蔵の2階に上がってみると、太い桁や梁が目立ち、壁際にはかつて書籍が収められてた書棚がびっしり。外観は石と漆喰の壁が伝統的な土蔵のように見えますが、屋根の上には採光用のハイカラなドーマーが設けられ西洋の要素も取り入れた和洋折衷。

 旧赤松家を訪れる機会には、図書蔵も忘れずに見学してください。

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