磐田に残る家康の足跡⑬―銘包直の槍
「見付の御清水」が湧く家、安間平治弥邸には、代官からの証文とともに、家康から拝領した「備前成高」の槍が残されていました。この槍は、現在、旧赤松家記念館に展示してあります。
展示ケース内に納められた槍の解説文によれば・・・
「直刃が特徴で、大和国末手掻派の刀匠・包直(かねなお=藤原四郎兵衛)の銘がある室町前期の作品です。鞘は黒漆で、徳川家の葵の家紋が施されていますが、後代に作られたものと考えられます。
この槍は、徳川家康から見附宿の安間平治彌に拝領されたことが『遠州磐田郡見附府安間平治彌家記録』(愛知県西尾市岩瀬文庫所蔵:(抄本)磐田市中央図書館)に記されており、安間家から赤松家が譲り受けたものと思われます。」
槍は細く、後代に作られたとされる黒漆塗りの鞘では、三つ葉葵紋が金色に輝いています。「銘包直」の槍は、磐田市指定有形文化財。「家康と磐田」の関りを示す三つ葉葵紋は、旧赤松家記念館で拝見することができます。
関連記事