諏訪大社を訪ねて⑮―神馬舎と絵馬
神馬舎(駒形屋)
古くより諏訪大社の神馬の屋形で明治以降は背に御幣を立て銅製の神馬と木製の神馬が安置されている
明治二十七年七月の大暴風雨により近くの大欅が倒れて神馬舎は倒壊してしまったのに神馬は前方十メートル程飛んで微塵も被害を受けなかった
時恰も日清戦争の勃発した頃であり人々は諏訪明神が神馬に乗って戦場に向かわれたのであると云って驚き懼れたと伝えられる
諏訪市中洲宮山の諏訪大社上社本宮(ほんみや)の東参道から入り、すぐ右手にあるのが神馬舎(しんめしゃ)です。
元々は厩(うまや)だったという神馬舎の中に奉納されている馬は、木製の白馬と銅製の黒馬。白馬は晴天を願い、黒馬は降雨を願ったもの。農耕には雨が必要ですが、降り過ぎると災害が発生します。
軒下には「奉獻 文化九壬申年四月吉日」の文字と白馬を描いた絵馬が掲げられていましたが、文化9年は西暦1812年。今から200年ほど前、雨が続き洪水の被害などが発生したのでしょうか?
境内の絵馬堂には黒馬を描いた絵馬も奉納されていましたので、自然を畏れ従いながらも、諏訪大社の祭神ならば何とかしてくれる、との切なる願いがあったのでしょう。
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