「金吾」奥山金吾正定則について⑧―八幡森
匂坂中にあるはずの金吾八幡社のヒントは「八幡森橋」。この名からすると、金吾八幡社は八幡の森に覆われて鎮座しているはず。そう思って見れば、すぐ西の田の奥に、鎮守の森に相応しいようなこんもりとした森が見えます。
しかも、その前には、「新四国八十八所めぐり」らしき石仏を納めた覆屋も見えます。もしかしたら・・・。
田の脇の道を通り森の脇を巡り、覆屋に近づき、石仏の台座に刻まれた文字を見ると、「七十九番」「八十番」「八十一番」とあり、先に「六十九番」で見た解説の数字とぴったりと合いましたので、ここが金吾八幡社の森に違いありません。
さて、問題はそこから先。もしかしたら、生還できないかも知れない危険を承知で、この森に侵入してみることにしました。
ところが、藪状態となっている森の中には、社はおろか鳥居も石積みも、金吾八幡社の痕跡らしきものはまったく見当たりません。不本意ながら(?)近くの家を訪ね、ここが金吾八幡社であるのかについてお尋ねしたところ、「確かにそうです」の返事。
見せていただいた住宅地図にも「金吾八幡社」と記載され、帰宅後に確認した「静岡県地名大辞典」(角川書店発行)の「匂坂中村」の項には「神社は岩田明神・金吾八幡」と書かれています。
一体、金吾八幡社は何処に行ってしまったんでしょう?
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